タンクから灯油漏れがあり、修理方法をどうしたら良いか分からない方は多いでしょう。日頃から自分で道具を修理する習慣のない方は特に修理方法がイメージできず困っているはずです。
灯油タンクから灯油が漏れてしまった場合には、その原因の判明や修理方法の手順を事前に覚えておくことが重要です。もし個人で対処しきれないときには専門業者への連絡も重要となってきます。
これらのポイントを踏まえて、灯油タンクの部位ごとの対処法を解説します。
目次
灯油タンクの一般的な構造と修理方法

灯油タンクは、一般的に下記の部品で構成されています。
本体
- 材質: 金属製(亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼など)またはポリエチレン製
- 形状: 円筒形、角型、扁平型など
- 容量: 家庭用は200L〜500L程度、業務用は数千L以上
給油口
- 位置: タンク上部
- 構造: ねじ込み式キャップ、レバー式キャップなど
通気口
- 位置: タンク上部
- 構造: フィルター付きキャップ
油面計
- 位置: タンク側面
- 種類: フロート式、ゲージ式、デジタル式など
出口バルブ
- 位置: タンク底部
- 種類: ボールバルブ、ゲートバルブなど
ストレーナー(フィルター)
- 位置: 出口バルブ内または配管接続部
- 材質: ステンレス鋼メッシュなど
配管系統
- 材質: 金属管(銅管、ステンレス管など)または樹脂管(ポリエチレン管など)
- 接続: ねじ込み式、フレア式、ワンタッチ式など
タンク本体からの漏れは比較的稀ですが、長期間の使用や環境条件により発生する可能性があります。特に金属製タンクの場合、底部や溶接部分が腐食して穴が開くことがあります。また、ポリエチレン製タンクでは、紫外線劣化や物理的な衝撃によるひび割れが発生する可能性があり、そこから灯油が漏れる可能性は否めません。
これらの場所は特に注意が必要ですが、定期的な点検とメンテナンスにより、多くの漏れを予防することができます。
コックからの灯油漏れの修理方法

コックから灯油が漏れている場合、その原因はコックの劣化にあることが考えられます。コックは頻繁に操作する部分であるため、摩耗や劣化が起こりやすい場所なのです。
特にパッキンやシール部分が経年劣化により硬化したり、摩耗したりすることで、隙間から灯油が漏れやすくなります。また、コックの締め付けが緩んでいる場合も漏れの原因となります。
修理方法は以下のとおりです。


- タンクの元栓を閉める
- コックの周りの灯油をきれいに拭き取る
- コックのパッキンを点検し、必要に応じて交換する
- コックの締め付けを確認し、必要に応じて増し締めする
応急処置ができたあとは、必要に応じて消防署への連絡も忘れないようにしましょう。
バルブからの灯油漏れの修理方法
バルブも頻繁に使用される部分であり、内部のシール材や締め付け部分が劣化することで漏れが発生しやすくなります。特に、開閉操作を繰り返すことで、シール材が摩耗したり、バルブ本体と接続部分の締め付けが緩んだりすることがあります。
そのようなときの修理方法は以下を参考にしてください。


- タンクの元栓を閉める
- バルブ周辺の灯油を拭き取る
- バルブのパッキンやシールを点検し、必要に応じて交換する
- バルブの締め付けを確認し、必要に応じて増し締めする
応急処置ができたあとは、必要に応じて消防署への連絡も忘れないようにしましょう。
ホースからの灯油漏れの修理方法
ホースは柔軟性があるため、繰り返しの曲げや環境条件の変化により劣化しやすい部分です。特に、ホースの屈曲部分や接続部分に応力がかかりやすく、そこから亀裂や穴が開くことがあります。また、紫外線や温度変化による材質の劣化も漏れの原因となります。
そのようなときの修理方法は以下を参考にしてください。
- タンクの元栓を閉める
- ホースの亀裂や破損を確認する
- 小さな穴や亀裂の場合、専用のシール剤で修理する
- 大きな破損の場合、ホース全体を交換する
応急処置ができたあとは、必要に応じて消防署への連絡も忘れないようにしましょう。
ストレーナーから灯油漏れの修理方法
ストレーナーは灯油中の不純物を濾過する役割を果たすため、長期間の使用で目詰まりを起こしやすい場所です。目詰まりによる圧力上昇や、ガスケットの劣化により、接続部分から灯油が漏れる可能性があります。
また、ストレーナー本体の腐食や亀裂も漏れの原因となることがあります。


- タンクの元栓を閉める
- ストレーナーを取り外し、清掃する
- ガスケットやシールを点検し、必要に応じて交換する
- ストレーナーを再度取り付け、締め付けを確認する
応急処置ができたあとは、必要に応じて消防署への連絡も忘れないようにしましょう。
配管からの灯油漏れの場合
配管系統は、タンクから使用機器までの灯油の経路全体を指します。特に漏れが発生しやすい場所は以下の部分です。
- 配管の接続部分
- エルボや分岐部分
- 地中や壁内の配管
接続部分はねじ込み式や溶接部分が経年劣化や振動により緩むことがあり、分岐部分は流れの変化による応力が集中しやすい箇所です。また地中や壁内にあると目視確認が難しいでしょう。そのため最も腐食や破損が進行しやすい場所のひとつです。


- タンクの元栓を閉める
- 漏れている箇所を特定する
- 接続部の緩みを確認し、必要に応じて増し締めする
- パイプの亀裂や腐食がある場合、該当部分を交換する
応急処置ができたあとは、必要に応じて消防署への連絡も忘れないようにしましょう。
灯油タンクのメンテナンスの方法

灯油タンクを安全に長く使用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。以下に主な手順を説明します。
まず、タンクの外観を定期的に点検しましょう。錆や腐食の兆候がないか、注意深く確認します。これにより、早期に問題を発見し、対処することができます。次に、年に1回程度、タンク内の水抜きと清掃を行うことをおすすめします。灯油に混入した水分や沈殿物を除去することで、タンクの寿命を延ばし、燃焼器具のトラブルを防ぐことができます。
ストレーナーの定期的な清掃も重要です。ストレーナーは灯油中の不純物を濾過する役割を果たすため、定期的に清掃することで、燃焼効率を維持し、機器の故障を予防できます。
バルブやコックの動作確認も忘れずに行いましょう。スムーズに開閉できるか、漏れはないかを確認します。問題がある場合は、早めの修理や交換が必要です。
最後に、油面計の正確性を確認します。正確な油量を把握することで、適切なタイミングで給油ができ、灯油切れによるトラブルを防ぐことができます。また、もし灯油を処分する場合には、下記の記事も参考にしてください。
これらのメンテナンスを定期的に行うことで、灯油タンクを安全かつ効率的に使用し続けることができるはずです。ただし、弊社ではタンクのメンテナンスもトータルでお引き受けできます。不安な点がある場合はぜひご相談ください。

まとめ|各部位に応じて適切な処置を
灯油タンクは日常生活で重要な役割を果たしていますが、その管理と取り扱いには十分な注意が必要です。
灯油タンクの適切な管理は、安全性の確保だけでなく、経済的にも環境的にもメリットがあります。ここで得た知識を活かし、日々の点検とメンテナンスを心がけることで、長期にわたって安全かつ効率的に灯油タンクを使用することができるでしょう。
安全は日々の小さな心がけから始まります。灯油タンクの使い方を今一度見直し、快適で安全な生活環境づくりに役立ててください。