家の中で灯油をこぼしてしまうと、強い臭いや引火の危険性から、多くの人がパニックになってしまうものです。しかし、落ち着いて適切に対応すれば、被害を最小限に抑えることができます。
そこで、灯油を家の中でこぼした際の対処法を場所ごとに詳しく解説します。
目次
家の中で灯油をこぼした場合にまず考えるべきこと

まずは、家の中で灯油をこぼした場合に考えたほうがいい周囲への影響について解説します。
こぼれた量と場所への影響について
家の中で灯油をこぼした場合、まず考慮すべきはこぼれた量と場所です。直ぐ拭き取れる場所であれば大きな問題にはなりません。しかしたとえ少量でも畳やカーペットなどの吸収しやすい場所にこぼした場合は、床材に浸透したり、臭いが染み付いたりする可能性が高くなります。
建物の構造へに影響について
木造住宅では、床下への浸透も懸念されます。集合住宅の場合は、階下への漏れにも注意が必要です。大量にこぼした場合や、建物の構造上問題がありそうな場合は、迷わず専門業者に相談することをおすすめします。

場所別の対応方法
次に、家の中で灯油をこぼしがちなよくある場所ごとに対応方法を紹介します。これを読んで少しでも事態が改善するよう、参考にしてみてください。
玄関で灯油をこぼした場合
玄関はタイルやコンクリートで覆われていることが多いため、灯油が染み込みにくく、拭き取りや洗浄などの処理が比較的しやすい場所といえます。
玄関に使われるその他の素材としては、以下の素材が玄関に使用されることがあります。
- 天然石:高級感があり耐久性も高いですが、灯油が染み込む可能性があり、処理が難しい場合が多い
- レンガ:耐久性がありますが、目地から灯油が染み込む可能性があり、処理に注意が必要
- 木材:温かみがあり見た目が良いものの、灯油が染み込みやすく、変色や劣化の原因となるため、迅速な処理が必要
- モルタル:表面が粗いため、灯油が染み込みやすく、処理が難しい場合がある
これらの素材が使われている場合は、素材の特性に合わせて適切な処理を行う必要があります。
ご自身で取るべき対処法は以下のとおりです。
- 換気:まず窓やドアを開けて換気をしましょう。
- 吸収:ペーパータオルや布、新聞紙などで大まかに拭き取ります。
- 洗浄:台所用洗剤を水で薄めた溶液を使って丁寧に洗い流します。
ただし、処理が面倒な場合、また大量にこぼしてしまった場合には迷わず専門業者の力を借りるようにしてください。さらには、子供やペットが灯油に触れないように注意しましょう。
これらが終わったら、業者に依頼し、最終作業に入ります。 - 消臭・仕上げ:ご相談ください。専門業者が適切に対処方法を指示します。
カーペットに灯油をこぼした場合

カーペットは吸収性が高いため、対応が少し難しくなります。
- 換気: まず窓を開けて換気をしましょう。
- 吸収: ペーパータオルで表面を軽く押さえ、できるだけ多くの灯油を吸い取ります。こぼれた場所を広げないように注意しましょう。
- 洗浄: 中性洗剤を水で薄めた溶液をスプレーボトルに入れ、染み込んだ部分に吹きかけます。
- 乾燥: 柔らかいブラシで優しくこすり、再度ペーパータオルで吸い取ります。この作業を数回繰り返します。ドライヤーで乾かすのも効果的です。
- 消臭: ご相談ください。専門業者が適切に対処方法を指示します。
- 専門業者: それでも臭いが残る場合は、専門のカーペットクリーニング業者に依頼することをお勧めします。
最悪の場合はカーペットを処分し、新しいものに買い替える必要があるかもしれません。そのような事態にならないために、灯油は基本的に屋内ではなく屋外で取り扱うようにしましょう。
フローリングに灯油をこぼした場合

フローリングは木材への浸透を防ぎます。そのため、素早い対応が求められます。
- 換気: まず窓を開けて換気をしましょう。
- 吸収: ペーパータオルや布で素早く拭き取ります。
- 洗浄: 中性洗剤を水で薄めた溶液を使って丁寧に拭き取ります。
- 乾燥: 洗剤が残らないよう、きれいな水で数回拭き取ります。乾いた布でしっかりと水分を拭き取ります。
- 消臭: ご相談ください。専門業者が適切に対処方法を指示します。
フローリングの場合、素材によっては変色や膨張の可能性があるため、できるだけ早く乾燥させることが大切です。
家の中の灯油漏れを対処する際の3つの注意点

対応方法を紹介しましたが、それと同時に覚えておくべき注意点が3つあります。以下も併せて確認しておいてください。
換気は何よりも重要
灯油をこぼした後は、必ず十分な換気を行ってください。窓を開け、扇風機やサーキュレーターを使用して空気を循環させることで、臭いの軽減と乾燥を促進できます。
臭いへの対処もしておく
灯油の臭いは長期間残る可能性があるため、根気強く対応することが大切です。消臭剤の使用や定期的な換気を続けましょう。コーヒーの出がらしやお茶の葉を置いておくのも効果的です。ただ臭いを完全に除去するには自力では無理があります。
安全面にも配慮し気を付けて対処する
灯油は引火性の高い液体です。こぼした直後は特に注意が必要です。火気の使用は絶対に避け、電気製品の使用も控えめにしましょう。換気扇も火花が飛ぶ可能性があるため、使用を控えるようにしましょう。安全が確保できない場合は、迷わず消防署や専門家に相談することをお勧めします。
灯油をこぼしたときにまず覚えておきたい対処法については、下記の記事でも詳しく解説しています。家の中に限らず、今後のために全般的に知っておきたいという方は併せてご覧ください。
まとめ
灯油を家の中でこぼしてしまっても、適切な対応と忍耐強い取り組みによって被害を最小限に抑えることができます。場所や状況に応じて適切な方法を選び、安全に留意しながら対処することが重要です。
不安な点がある場合は、専門家に相談することをためらわないでください。特に屋内はとにかく換気がポイントです。漏れた灯油の量によっては半永久的に油臭が抜けないこともあります。壁紙、カーペット、床材等は、油臭が気になるのであれば入れ替えるほかありません。
そのためにも、日頃から灯油の取り扱いには注意しましょう。