水道の水が臭い!原因とすぐできる対処法をわかりやすく解説

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水道の水が臭い!原因とすぐできる対処法をわかりやすく解説

朝、コップに水を注いだ瞬間、「あれ?なんか臭い…」と思ったことはありませんか?水道の水が臭うと、飲むのをためらうだけでなく、体に悪いのではと不安になりますよね。

実は、水道水の臭いの多くは一時的な原因や設備の汚れによるものです。この記事では、水道の水が臭うときに考えられる原因と、自宅ですぐできる対処法をわかりやすく解説します。

水道水の臭いの主な原因とは?

水道の水が臭うとき、そのにおいのタイプによって原因が異なります。まずは、代表的な3つのにおいから見ていきましょう。

1. カビ臭い・土っぽいにおい

カビ臭や土のようなにおいがする場合、浄水場で発生する藻類やカビ由来の物質(ジェオスミンなど)が原因です。特に夏場や気温の高い時期に多く見られます。人体に害はありませんが、においが強く感じられることがあります。

2. 塩素(プール)のようなにおい

「カルキ臭」と呼ばれるにおいで、塩素による消毒成分が強めに残っていることが原因です。地域や水圧、配管の経路によって塩素濃度にばらつきが出るため、一時的に強く感じる場合があります。

3. 鉄臭・サビ臭

古い配管や給湯器内部で発生した鉄サビや腐食によるにおいです。赤茶色の濁りや金属の味を伴う場合は、建物内の配管劣化が進んでいるサインです。

水道の水が「灯油のような臭い」がする場合の原因と対処法

水道の水が「カビ臭い」「カルキ臭い」といった悩みはよくありますが、中には「灯油のようなにおいがする」と感じる方もいます。

この場合、原因が特殊で危険性が高いケースが多いため、早急な対応が必要です。 以下では、水道の水が灯油臭くなる3つの代表的な原因と対処法を解説します。

1. 給湯器(ボイラー)の不具合による灯油臭

もっとも多い原因が、灯油ボイラーや給湯器の燃焼不良・部品劣化です。灯油を燃料とする給湯器では、燃焼室や熱交換器の亀裂から燃焼ガスや油臭が逆流し、水道水ににおいが移ることがあります。

よくある兆候

  • お湯を出したときだけ灯油のにおいがする
  • 水(冷水)は臭わない
  • 給湯器使用中または直後ににおいが強くなる

対処法

  • すぐに給湯器の使用を停止する
  • メーカーまたは販売店に点検を依頼する
  • 屋内設置型は必ず換気を行う

※燃焼不良を放置すると、一酸化炭素中毒や火災の危険があります。
安全のためにも、使用を続けないようにしましょう。

2. 灯油タンクや配管からの漏えいによる地下水汚染

敷地内または近隣に屋外灯油タンクがある場合、タンクや配管の劣化・破損によって灯油が土壌や地下水に漏れ出すことがあります。

この場合、灯油が水道管や井戸水に混入してしまい、家庭の水道から灯油臭がするという事態に発展します。

特徴

  • 冷水でも灯油のにおいがする
  • 家中どの蛇口からも臭う
  • 近隣でも同様のにおいを感じる

対処法

  • ただちに水道の使用を中止(飲用・調理・入浴すべてNG)
  • 自治体の環境課・水道局に通報
  • 消防署にも連絡し、漏えいの有無を確認

地下水や配管に灯油が混入した場合、ベンゼンなどの有害成分が含まれるおそれがあります。この場合は、専門業者による汚染除去と水質検査が必須です。

3. 配管・ポンプ室周辺への灯油混入

工場やマンションなど、大規模施設で見られるのがこのケースです。ポンプ室・貯水槽・ボイラー室の近くに灯油設備があると、気化した灯油や微量の漏れが水に混入することがあります。

対処法

  • ポンプ室や貯水槽周辺で灯油のにおいがしないか確認
  • 管理会社またはメンテナンス業者に現地点検を依頼
  • 必要に応じて貯水槽の水抜き・清掃・再充填を実施

このような構造的な原因は、個人の範囲での対処が難しいため、早めに専門家へ相談しましょう。

臭いが気になるときのすぐできる対処法

水道の臭いは、ちょっとした工夫で改善できることもあります。以下の3つの方法を、軽度な臭いの段階で試してみましょう。

1. まずは「水をしばらく流す」

長時間使っていなかった蛇口では、配管内に滞留した水がにおいの原因になります。30秒〜1分ほど水を流してから使用するだけでも、臭いが和らぐことがあります。

2. 浄水器・フィルターを確認する

浄水器のカートリッジや蛇口フィルターが汚れで詰まっていると、雑菌やカビ臭が発生します。説明書に沿って清掃または交換を行い、フィルター内部を乾燥させることも忘れずに。

3. 給湯器・貯水槽を点検する

お湯だけ臭う場合は、給湯器内部のバクテリア繁殖や、ビル・マンションの貯水槽の清掃不良が疑われます。管理会社または専門業者に点検を依頼し、定期的な清掃・消毒を行いましょう。

臭いの種類でわかる!危険なサインと対応先

一時的なにおいなら問題ありませんが、異常なにおいが続く場合は要注意です。特に以下のようなケースは、すぐに原因を調べましょう。

  • 下水のような悪臭がする → 排水管やシンクトラップのトラブル
  • 薬品やガスのようなにおいがする → 給湯器やガス管の異常
  • どの蛇口からも臭う → 浄水場・貯水槽・配管全体の問題

このような場合は、水道局または建物管理会社に連絡し、調査を依頼するのが安全です。

灯油臭がする水は絶対に飲まないで!

灯油のにおいがする水は、ごく少量でも体に悪影響を与えるおそれがあります。
灯油成分を摂取すると、以下のような症状が現れることがあります。

  • のどや胃の強い刺激
  • 吐き気・頭痛・めまい
  • 化学物質による中毒反応

臭いを感じたら、洗濯・歯磨き・調理・入浴などもすべて中止してください。また、部屋全体が灯油臭くなる場合は換気を徹底し、専門業者や水道局に連絡を取りましょう。

それでも臭いが取れないときの最終手段

基本的な対処をしても臭いが改善しない場合は、水質や配管の構造的な問題が関係している可能性があります。ここでは、より専門的な3つの解決方法を紹介します。

浄水器・ポット型浄水器を導入する

軽度のカビ臭・カルキ臭・鉄臭であれば、家庭用の浄水器を導入することで改善できる場合があります。特に以下のようなタイプを選ぶのがおすすめです。

  • 活性炭フィルタータイプ:カルキ臭やカビ臭を吸着し、味をまろやかにする
  • 中空糸膜タイプ:細菌や濁りを物理的に除去する
  • 逆浸透膜(RO)タイプ:不純物をほぼ完全に除去する高性能タイプ

ただし、浄水器もカートリッジを定期的に交換しないと、逆に雑菌の温床になることがあります。使用期間や交換目安を守り、フィルターを清潔に保つことが大切です。

配管洗浄を専門業者に依頼する

水を長年使用している建物では、配管の内側に「バイオフィルム」と呼ばれる細菌膜が形成されることがあります。これが臭いやぬめりの原因となり、蛇口から出る水全体がカビ臭くなることも。

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自治体や水道局に水質検査を依頼する

「どんな対策をしても臭いが取れない」「水の味や色もおかしい」と感じる場合は、水道水そのものに原因がある可能性があります。その場合は、自治体や水道局へ水質検査の依頼をしましょう。

検査でわかること

水質検査では、以下のような項目を調べることができます。

  • 塩素濃度
  • 鉄・マンガンなどの金属成分
  • カビ・細菌の有無
  • pH値や濁度(にごり)

複数の家庭で同様の異臭がある場合は、地域全体の配水経路に問題がある可能性も。水道局に連絡し、原因調査を依頼しましょう。

専門的な対策を取る前に確認したいポイント

高額な工事や検査を行う前に、次の点も見直してみてください。意外と見落としがちですが、臭いの根本を断つ手がかりになります。

  • 給湯器のフィルターやストレーナーの清掃
  • 台所・洗面所の排水口トラップの確認
  • 使用していない蛇口・屋外水栓の通水(定期的に流す)

これらを行うことで、配管内の滞留水や汚れによる臭いを防止できます。

まとめ|長引く臭いは「専門業者に依頼」が最も確実

水道の水が臭う原因は、浄水場・配管・給湯器・フィルターなど、生活の中のどこかにあります。多くは健康に害のない一時的なものですが、放置するとカビや雑菌の温床になることも。

  • まずは水を流す・フィルターを掃除する
  • 改善しないときは給湯器や配管を点検する
  • 長期間続く場合は専門機関に相談する

この3ステップを意識して、安心・安全な水を取り戻しましょう。