お湯が出ない!灯油ボイラー故障の応急処置と修理費用の目安

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お湯が出ない!灯油ボイラー故障の応急処置と修理費用の目安

寒い季節に欠かせない灯油ボイラーは、私たちの暮らしにとってなくてはならない存在です。しかし、突然「お湯が出ない!」というトラブルに見舞われると、生活に大きな支障が出てしまいます

この記事では、灯油ボイラーからお湯が出ないときにまず試すべき応急処置や、考えられる故障原因、修理費用の目安までをわかりやすく解説します。いざというときに慌てないために、ぜひ最後まで読んで備えておきましょう。

灯油ボイラーでお湯が出ないときに考えられる原因

突然お湯が出なくなると、「故障かも!」と不安になりますが、必ずしも本格的な故障とは限りません。まずは、どんな原因が考えられるのかを知っておくことが大切です。

灯油切れや燃料不足

灯油ボイラーは名前の通り、灯油が燃料です。灯油タンクの残量が少なくなっていると、燃焼が途中で止まってしまい、結果としてお湯が出なくなります。給油メーターを目視で確認し、見えにくい場合は棒などで残量を計るのも一つの方法です。

冬場は気温が下がることで灯油の消費量が増え、思っている以上に早く無くなることがあります。残量がギリギリの場合は空気が配管内に混入してしまい、燃焼が不安定になることもあるので、常に余裕を持って給油する習慣をつけましょう。

電源やブレーカーのトラブル

お湯が出ないときは、機械そのものの故障を疑う前に、まず電源系統を確認することが重要です。電源プラグがコンセントから抜けていたり、接触不良になっていることもあります。
分電盤のブレーカーが落ちていないか、漏電ブレーカーが作動していないかも必ず確認してください。

最近の灯油ボイラーは安全装置が多く、わずかな漏電でも作動して電源が切れることがあります。もし何度もブレーカーが落ちる場合は無理に復旧せず、すぐに専門業者へ相談するようにしましょう。

給水・給湯配管の凍結

特に寒冷地では、外気温が0℃を下回ると配管内の水が凍ってしまい、水が流れずお湯が出なくなることがよくあります。お湯が出ない原因が配管の凍結だった場合、無理にボイラーを動かしても意味がありません。

給湯管の露出部分を触ってみて、冷たく固くなっている場合は凍結が疑われます

外気温が上がると自然に解凍される場合もありますが、放置して破裂すると大規模な水漏れになるリスクがあるので、凍結防止ヒーターや保温材での対策をおすすめします。

フィルターの詰まりや故障

灯油ボイラーには複数のフィルターが取り付けられており、燃料のゴミや不純物を取り除いて燃焼を安定させる役割があります。しかし、長期間使っているとフィルターが汚れや詰まりを起こし、燃料がスムーズに供給されなくなります

火がつかない・途中で消えてしまうなどの燃焼トラブルが発生し、お湯が出なくなる原因になります。年に一度はフィルターを清掃し、目詰まりがひどい場合は新品に交換するのが安心です。

灯油漏れ

灯油ボイラーからお湯が出なくなった場合、「燃料切れ」や「電源トラブル」などの基本的な要因に目が向きがちですが、実は灯油漏れが原因となっていることもあります。

たとえば「お湯が出ない」と気づいて灯油タンクを確認したところ、つい先日給油したばかりなのにタンクが空になっていたというケースでは、配管の異常が疑われます。特に、送油管に亀裂や劣化が生じていると、灯油が徐々に漏れ出し、気づかないうちに燃料が失われてしまいます。

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このような場合、送油管の圧力検査を行うことで灯油漏れが明らかになることがあります。漏れた灯油は火災や環境汚染の原因にもなり得るため、放置せず、すぐに点検・修理を依頼することが大切です。

「給油直後なのに灯油がなくなっている」といった異常が見られる場合は、灯油漏れを原因の一つとして念頭に置き、配管の状態を確認してみましょう。灯油漏れナビでは、全国どこでも灯油漏れに関するトラブルの解決を目指し駆けつけます。少しでもお困りの方は下記よりお問い合わせください。

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お湯が出ないときに家庭でできる応急処置

「すぐに修理業者を呼ばなければ」と慌てる前に、まずは家庭で確認できるポイントを押さえておきましょう。正しい手順を知っておけば、簡単な応急処置でお湯が復旧する場合もあります。

灯油残量を確認する

お湯が出ないと気付いたら、まずはタンクの残量を確認しましょう。メーターが正確に動いていない場合もあるため、目視や棒を使ってタンクの底まで灯油が残っているか確認するのが確実です。

 灯油が少なくエア噛みしてしまった場合は、ポンプを使って配管内の空気を抜く「エア抜き作業」が必要になることもあります。やり方が分からない場合は取扱説明書を確認するか、無理をせず業者に依頼しましょう。

電源プラグとブレーカーを確認する

意外と見落としがちなのが電源プラグの抜けや、ブレーカーの作動です。

掃除中にプラグを抜いたままにしていたり、延長コードの接触不良で電源が供給されていないこともあります。漏電ブレーカーが落ちている場合は、原因を特定せずに無理に電源を入れ直すのは危険です。

もし繰り返しブレーカーが落ちるようなら、感電や火災の恐れもあるので必ずプロに相談してください。

凍結の場合の対処法

配管が凍結している可能性がある場合は、焦らずに対応しましょう。

お湯を一気にかけて解凍するのは絶対に避け、必ずぬるま湯をタオルに含ませて管に当てる、タオルを巻きつけて上からゆっくりぬるま湯をかけるなど、徐々に解凍します。

電気式の凍結防止ヒーターがついている場合は、電源が入っているかも確認しておきましょう。

フィルターの掃除

灯油フィルターや給水フィルターの詰まりが原因の場合、自分で掃除できる範囲は取扱説明書を見ながら対応可能です。ほこりやゴミを取り除くだけで、驚くほどスムーズにお湯が出る場合があります。ただし、分解が必要な場合は下手に触ると故障の原因になるので、無理は禁物です。

応急処置でも復旧しないときは?

応急処置を試してもお湯が出ない場合は、無理に使い続けるとさらなる故障の原因になります。ここでは、応急処置では解決できない症状と、すぐに修理依頼を検討すべきサインをお伝えします。

異音や異臭がする場合

ボイラーからこれまでに聞いたことのない大きな音や異臭がする場合は、内部の部品が損傷している可能性があります。使用を続けると重大なトラブルにつながるため、すぐに電源を切り、専門業者に相談してください。

エラーコードが表示されている

多くの灯油ボイラーには、異常があるとエラーコードが表示される仕組みがあります。エラーコードを確認し、取扱説明書で内容を把握した上で、自己判断せずにメーカーや修理業者に連絡することが大切です。

灯油ボイラーの修理費用の目安

応急処置でも復旧しない場合は、修理が必要になります。ここでは、灯油ボイラーの修理でよくある症状と費用の目安を紹介します。

燃料フィルターの交換費用

燃料フィルターの詰まりによる交換の場合、作業費込みで5,000円〜10,000円程度が一般的です。

凍結による配管破裂の修理費用

配管の破裂は見えない場所で起こることもあり、修理費用は1万円〜3万円が目安です。

場合によっては壁や床を開けて工事することもあるため、なるべく凍結を防ぐ日常対策が大切です。

メーカー修理が必要な場合

基板交換や電気部品の故障など、本格的な修理の場合は2万円〜5万円程度が相場です。高額になりやすいため、古い機種であれば買い替えも選択肢として検討しましょう。

修理を依頼するときのポイント

修理を依頼する際にスムーズに進めるためには、事前に状況を整理しておくことが大切です。ここでは、依頼時に伝えるべきポイントをまとめます。

トラブル発生時の状況をメモする

修理を依頼するときは「いつからお湯が出ないのか」「異音やエラーコードが出ているか」などを整理して伝えるとスムーズです。

業者が状況を把握しやすくなり、無駄な出張や作業時間を減らせます。

取扱説明書を手元に用意する

修理担当者から機種番号やエラーコードを尋ねられることが多いため、説明書をすぐ取り出せる場所に置いておきましょう。古い機種の場合は型番が消えていることもあるので、普段から記録しておくと安心です。

灯油ボイラーを長く使うための予防策

突然の故障を防ぐためには、日頃の点検や正しい使い方がとても重要です。ここでは、普段からできる予防策を紹介します。

定期的に灯油を補充・確認する

灯油切れはトラブルのもとです。シーズン中はこまめに残量をチェックし、早めの給油を心がけましょう。

年に一度はプロに点検を依頼する

年に一度、プロの点検を受けることでフィルター交換や内部クリーニングを行い、トラブルを未然に防げます。

結果的に修理費を抑えられるため、定期点検はとても重要です。

まとめ|お湯が出ないトラブルは慌てず正しく対処を

灯油ボイラーの「お湯が出ない」というトラブルは、燃料切れや配管の凍結など、ちょっとしたことが原因のケースも多くあります。まずは落ち着いて応急処置を試し、それでも直らない場合は専門の修理業者に相談してください。正しい対処で大切な暖房機器を長く安全に使い続けましょう。